サイエンスナイト
若手研究者交流会 サイエンスナイト2024
「目指せ、質の高い研究」
- 日時:
- 2024年9月18日(水)18:00〜20:00
- 場所:
- 京都大学(北部キャンパス旧演習林事務室)
- 世話人:
- 佐藤 元映(宇都宮大学)、横山 壱成(北里大学)、渡邊 源哉(農研機構)、吉田 悠太(茨城大学)
- 講師:
- 大内 義光 氏(岡山理科大学獣医学部)
津上 優作 氏(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門) - 参加者数:
- 47名(うち学生20名)
京都大学で開催された第132回日本畜産学会大会でのサイエンスナイト企画は、世代や国籍を問わずに数多くの方にご参加いただき、盛況のうちに幕を閉じました。本企画では、今後の畜産研究を担っていく若手研究者同士の交流、特に分野間の垣根を超えた交流の重要性を実感しました。
今回のイベントは昨年日本畜産学会奨励賞を受賞された2名の講師をお招きし、受賞された研究内容はもちろん、研究に対する姿勢やその考え方などを踏まえて講演していただきました。まず、家禽のストレス応答に関する研究に取り組んでいる大内氏に、奨励賞を受賞された研究内容、自身が研究者を目指したきっかけ、そして今後の研究についてご講演いただきました。次に、ウシの乳腺や乳房炎に関する研究を専門にされている津上氏に、ウシ乳腺上皮細胞を用いた乳分泌モデルの作製とその応用に関する研究について、詳細に説明いただきました。また、研究室での過ごし方や研究テーマの進め方といった内容にも触れていただきました。講演後の質疑応答の時間では、初めての論文投稿までの苦労やストレス解消方法などについてコメントいただきました。お二方の講演内容は、若手研究者の目指す目標になるだけでなく、研究室での生活やストレスのコントロールにも大きく役立つのではないかと感じました。
続く参加型イベントでは、少人数のグループに分かれて、参加者同士で自身の研究内容について、紹介していただきました。異なる分野の方々で交流いただいたため、さまざまな角度から議論が行われている様子が見てとれました。今回は、海外からの参加者もいたことから会場内では、日本語と英語が入り混じった議論が活発に行われていたように感じました。
最後に飲食を交えた交流会を行い、留学、企業研究、研究費獲得などの内容に対して、経験のある若手企画委員や参加者との交流を深めました。参加者は学生、大学教員、民間企業、海外研究者がいらっしゃいましたが、至るところで話題や笑顔が絶えず、9月にも関わらず暑さの残る今大会にふさわしい、熱い議論や交流がおさまることはありませんでした。終了予定時間を過ぎてもなおその場に残って議論に花を咲かせる人も多く、世話人としては喜ばしく感じました。このようにトップランナーのこれまでの歩みを知ることや異分野交流を経ることで、意外な研究へのヒントやブレイクスルーを生み出し、「質の高い研究」に繋がっていくのかもしれません。
イベント後のアンケートでは、両講師の講演が今後の参考になったという声はもちろん、異分野間での研究紹介および議論の重要性について実感したとの声も多数いただきました。
貴重な経験談をお話していただきました両講師と参加者のみなさまに、本企画の世話人として改めて感謝いたします。また、本会の開催にあたり会場準備から片付けまでご協力いただいた大会運営委員の先生方、ご当地のお菓子やお酒を持参してきてくださった若手企画委員のみなさまに心から御礼申し上げます。
文 佐藤 元映(宇都宮大学)、横山 壱成(北里大学)